カーエアコンからカビ臭がする理由と洗浄方法

2023/11/11

車のエアコンも3~4年使っていると、だんだんと臭ってきます。
妻の車も4年目の夏にすっぱいニオイ(カビ臭)がし始めました。
子供を乗せてエアコンをつけた日には後部座席から「クッサ~!」の嵐(汗)。
そこでエアコンフィルターを交換したのですが、臭わなかったのは最初の2週間程。
やはりエバポレーターを掃除しないといけないなぁ・・・

と思いつつ5ヵ月。
先日妻の車を運転する機会があり、エアコンをつけたところやはりすっぱいニオイがしました。
冷房も臭いますが、暖房でもしっかりとその存在をあらわにしてきます。
さすがにこれ以上は放置できないので、エバポレーターを簡易洗浄することにしました。

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エバポレーターがニオイの発生源になる理由

まずエバポレーターとは何?とお思いでしょう。
簡単に言うと空気を冷やす装置です。
室内エアコンの冷却フィンと同じ物と考えれば分かりやすいかもしれません。
前面カバーを開き、フィルターの奥側にある銀色の薄い板がたくさん付いているやつです。
構造はほぼ同じなので、洗浄が難しいのはお分かりいただけるかと思います。
その上取り外しが極めて困難なので、更に洗浄の難易度が上がるというとてつもないクセモノだったりします。

エバポレーターの場所

では一体どこにあるのでしょうか。
乗用車であれば、全面カバーに覆われている状態で、ほとんどが前席足元に設置されています

ここからは実際の車で説明しましょう。

img_car_air_con01

まず、エアコン全体を把握する為にグローブボックスを取り外します

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軽自動車や一部の普通車は、写真のように赤の矢印の所に緑の矢印がはまっているだけなので、グローブボックスを開いた状態で斜めに引き上げれば簡単に外せます。
もちろん車種によってはプラスドライバースパナが必要になります。
そして見えてきたのがエアコンユニットですね。
白い蓋がされている場所がエアコンフィルターですので、交換される方は参考にしてみて下さい。

エアコンの仕組み

せっかくなのでエアコンの仕組みを簡単に説明しましょう。

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ブロアファンが回転し、エアコン吸入口から吸い込まれた空気はエアコンフィルターを通ってエバポレーターへ送り込まれます。
そして空気は冷やされて、冷房であればそのまま送風口へと向かいます。
暖房であれば、冷やされた空気がヒーターコアを通ることにより温められ送風口へと向かいます。

ここで重要なのが、エバポレーターで空気を冷やす時に水滴が発生するということです。
夏にエアコンの効いていない所でコップに冷たい水を入れると、コップの周りに水滴ができるのと同じ原理ですね。
そしてこの水滴は排水ノズルから車外へ排出することによって、車内を除湿することができます。
車内の窓ガラスが曇ってきたときにエアコンをつけるのはその為ですね。

しかし、残念ながら良いことばかりではありません。
かなり脱線しましたが(汗)、エバポレーターは写真の位置にあります。
こんな全面カバーで覆われている状態で、発生した水滴がそのまま放置されるとどうなってしまうのでしょうか。
季節にもよりますが、湿度高めの温かい車内というカビにとっては最高の場所になってしまいます。

エアコンが臭う前にできること

ではなるべく臭わないようにするにはどうすればいいのでしょうか。
それはエアコンを使用した後は、できるだけエバポレーターを乾燥させるということです。
例えば目的地到着前にエアコンを切り、送風にしてエバポレーターを乾燥させたり、到着後しばらく送風する為にエンジンをかけておくとか・・・。
効果はあると思いますが、かなり非現実的です(汗)。
それよりも、エバポレーターは臭う物だと諦めた上で外気導入を心がけたり、エアコンフィルターの定期交換や、エバポレーターの定期洗浄をする方がカーライフが楽しくなりそうですね。

エバポレーターの洗浄方法

前置きが長くなりましたが、ここからエバポレーターの洗浄方法です。

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写真はエアコンフィルターを取り外した所の内部です。
中に見えているのがブロアーファンですが、この開口部分からエバポレーターを洗浄するクリーナー、クイックエバポレータークリーナーSがあります。
これはディーラーでも使われているので安心して使用できます。
しかも作業内容はエアコンフィルターを取り外し、内部にスプレーして完了というお手軽さで、特別な技術がなくても施工できます。

クイックエバポレータークリーナーSを使った記事はこちらにありますので興味がある方は合わせてご覧ください。

しかーし!

今回使用するのはクイックエバポレータークリーナーSではなく、こちらです。

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家庭用エアコンクリーナーのエアコン洗浄スプレーです。
なんと言ってもお買い得(笑)。
しかし注意書きの使用できないエアコンの欄にカーエアコンと記載されていますので、使用する場合は自己責任にてお願いします。

では、この洗浄スプレーをどうやって使うのか。
簡単に言ってしまえば、エバポレーターに直接噴射できればいい訳です。
間違ってもエアコンフィルターの開口部からは噴射しないで下さいね

で、ちょうどいい所にブロアレジスターが付いていました。

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ちなみに緑色のはエアコンフィルターですが、まだまだキレイなのでそのまま使用します。
そしてこのブロアレジスターを取り外すと、中にあるのがエバポレーターです。

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白っぽいメッシュみたいなのがそうです。
ここに向けて直接噴射していこうと思いますが、そのままのスプレーノズルでは無理なので、手持ちのブレーキクリーナーのノズルと交換しました。

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さらに、そのままでは角度がつけられないのでストローを3本をテープで継ぎ足し、こんな形になりました。

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距離が延びて3回も曲がっているのできちんと噴射できるか不安でしたが、10cm以上は飛んでいたのでこれで洗浄していきます。

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洗浄は先程のブロアレジスターを取り外した開口部から行います。
ストローの先端をエバポレーターに向けて全体に噴射していきますが、見えないので勘です(笑)
私の場合、おおよそできたかなと思ったところでのスプレー残量は1/4程度でした。

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洗浄中は車体の下から写真のように排液されます。

洗浄後は説明書通り10分間放置しますので、その間に取り外した部分を元に戻しエンジンがかけられる状態にしておきます。

その後、内気循環・温度Low(冷房)・A/C ON・風量最大・窓全開で15分程エンジンをかけておきます。

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これはエバポレーターについた洗浄液を洗い流す為ですので必ず行いましょう

これで作業完了です。
特に洗浄液の残り香もなく、カビ臭もしなくなりスッキリしました。

まとめ

やはりエアコンは定期的に洗浄しなければ、構造上臭ってくるものなのかもしれません。
理想は半年に1回で、夏前と冬前でしょうか。
そして今回紹介した方法はコスト面では優れていますが、作業性で言えば先に紹介したクリーナーの方が優れています。
エアコンが臭ってきて、ご自身で洗浄してみようと思われる方はぜひチャレンジしてみて下さい。

Posted by おき