車のタイヤがパンクしてしまった時の対処方法
出先で起こると厄介なのがタイヤのパンクですよね。
私も先日経験しましたがいろんな意味でヘコみました(泣)。
ではパンクしてしまった場合、どのように対処すればいいのでしょうか。
スペアタイヤ
まず1つは、近頃ではあまり標準装備されなくなったスペアタイヤへの交換です。
スペアタイヤがあれば、タイヤに大きな穴があったり、ホイールが変形してしまっているようなパンクでも、自走できるようになります。
交換する前に
作業中に車が動かないようパーキングブレーキをかけ、適正なギアに入れ(ATならPレンジ)、車輪止めをしておきましょう。
そして自分の安全を確保してから作業を行います。
道路脇での作業であれば後続車に追突される恐れがありますので、必ず三角表示板や発煙筒を使用しましょう。
交換方法
スペアタイヤを積んでいる車種の多くは、トランクに車載工具とセットで積んでありますので、ジャッキ・ジャッキハンドル・レンチと一緒に取り出して準備しましょう。
ジャッキアップポイントを探す
車には必ず写真のようなジャッキアップポイントと呼ばれる場所があります。
車種によっては写真の上側文字の位置に凹みがあったり、Uの字型に切欠きがあったりしますので注意深く探しましょう。
ジャッキをセットする
写真のようにジャッキはジャッキアップポイントにしっかり嵌る形状になっていますので、ズレがないか確認しながらセットしましょう。
ですが、ここではまだ車体は上げずジャッキに車重が軽く乗る程度で止めておきます。
ホイールナットを緩める
続いては、レンチを使ってホイールナットを1/4程緩めます。
ホイールカバーがある車種は、外部から見てネジで留まっていなければ手で引っ張って取り外しましょう。
ですので、必ずタイヤが接地している状態でホイールナットを緩めましょう。
正規の締め付けトルクで締まっていればそんなに固くないので、レンチを3時から4時の方向にセットし持ち上げるようにして反時計回りにナットを1/4回転程させます。
緩める順番は、ナットが4つなら「×」、ナットが5つなら「☆」を書く順番で対角に緩めていきます。
ジャッキアップする
すべてのナットが緩んだらタイヤが完全に浮くまで上げていきます。
タイヤを交換する
ジャッキで上がった状態の車は不安定なので、なるべく揺らさないようにしてスペアタイヤと交換します。
交換後のナットの締め付けは、レンチを使ってホイールがガタガタしない程度まで締めます。
力加減で言うとレンチに指1本を掛けて締め付けるぐらいの力でしょうか。
締めるときも緩めるときと同じように対角で締めていきます。
ホイールと取り付け面のガタがなくなったのが確認できたらジャッキを半分程下げ、タイヤに車重が軽く乗る状態にして今度は腕の力を使って締め付けます。
増締めをする
ここまで出来たらジャッキを下げて最後の増締めをしますが、力任せに締め付けてしまうと最悪の場合ネジが切れてしまいます。
逆に緩すぎると、走行中にタイヤが外れてしまうなんてことにもなりかねません。
ではどのように締め付ければいいのか。
一般的なホイールであれば、締め付ける力はおよそ100N・m(10kgf・m)前後となっています。※正確には車種によって決められており、80~150N・mぐらいの間で設定されていますので、車の取扱説明書で確認してください。
んなこと言われてもわかるか~って声が聞こえてきそうですが、近い数値であれば出すことが可能なんです。
100N・m(10kgf・m)で締め付けるというのは、1mのレンチを使い、そのレンチの端に10kgの力を掛けてやるということです。
しかし車載工具のレンチの長さはおよそ30cmです。
では0.3mのレンチを使う場合、その端に掛ける力は何kgになるのでしょうか?
10÷0.3=33.333kg
だいたい33kgぐらいの体重を掛けると、100N・m(10kgf・m)であれば規定の値で締め付けることができます。
もちろんこのときも対角で締め付けていきます。
これでスペアタイヤへの交換が完了となります。
タイヤパンク応急修理剤
そしてもう1つは、省燃費やエコ等の理由でスペアタイヤを積んでいない車種に標準装備されているタイヤパンク応急修理剤です。
この修理剤の長所は、普段必要のない重量物のスペアタイヤを積んでいないので、燃費には貢献してくれています。
ですが短所として、タイヤ大きな穴が開いた場合やホイールが傷んでいる場合などには使用できません。
そして一番の欠点として、修理剤を使用したタイヤは継続使用ができなくなります。
つまり、ディーラーやタイヤ屋へ駆け込んだ後は交換が必須になりますので充分理解した上で使用してください。
修理剤を使う前に
パンクしているタイヤのバルブ(空気を入れる所)が下になるように車を動かします。
そしてスペアタイヤへの交換と同じように、自分の安全を確保しましょう。
バルブコアを外し、修理剤を入れる
まず、付属のコア回しでバルブコアを外します。
このときタイヤの残圧が抜けるのでコアを吹き飛ばさないように慎重に外しましょう。
完全に空気が抜けたら、付属のホースを使って修理剤を全量入れます。
エアーコンプレッサーで空気を入れる
修理剤が入ったらバルブコアを取り付け、規定の空気圧を確認しましょう。
規定の空気圧は運転席のドアを開けた所に表示している車種が多いですが、なければ取扱説明書も確認してみましょう。
確認後、エアーコンプレッサーの電源をシガーソケットから取り、規定の空気圧になるまで入れます。
もし5分以内に規定の空気圧に達しないようであれば、ジャッキアップしてタイヤを5回転程させ、修理剤をタイヤ全体に行き渡らせます。
※駆動輪であれば適正ギア(ATならNレンジ)へ、後輪であればパーキングブレーキを外してタイヤを回します。
そして再度空気を入れます。
これでも規定値に達しない場合は応急修理が不可能ですので、ディーラーかJAFへ連絡しましょう。
規定値に達したら
無事に規定値まで空気が入ったらすぐに走行を始めましょう。
速度は80km/h以下で注意しながら運転してください。
走行開始から10分経ったら停車し、再度空気圧をチェックしましょう。
このとき空気圧が130kPa未満であれば、応急修理が不完全ですので、運転を中止しディーラーかJAFへ連絡しましょう。
130kPa以上であれば応急修理が完了していますので、最寄りのディーラーやタイヤ屋まで慎重に運転しましょう。
まとめ
たとえ応急処置用の道具があっても、それらが使えなければ意味がありません。
スペアタイヤなら空気圧の点検、修理剤なら有効期限の確認など、気が付いたときに確認しておきましょう。